事業紹介

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リングロー株式会社

企業HP
https://www.ringrow.co.jp/
開設地
富山県立山町
本社所在地
〒171-0021東京都豊島区西池袋5-1-3メトロシティ西池袋4階

企業紹介

中古PCやタブレット、OA機器のリユース事業を展開。1台から数万台まで様々なニーズに応え、大手家電量販店やECサイトなどで、年間30万台の商品を卸売している。

サテライトオフィス開設の経緯は?
・今までリーチ出来なかった層の顧客獲得
・中古機器の回収エリアの拡大
・地域コミュニティづくりの創出
今後の事業展開
全国の地域へのおかえり集学校の展開やイベント開催など集学校をハブとした企業との連携

インタビュー

次に手がけるのは「廃校再生」IT機器再生・販売の事業を運営するリングロー株式会社にインタビュー

富山県立山町にある谷口小学校は、子どもの減少により、2002年閉校となりました。
2020年立山町へのサテライトオフィス進出企業であるリングロー株式会社によって「山と谷、親と子」をコンセプトとした、「楽しむ」「働く・くつろぐ」「相談する」「遊ぶ」「学ぶ」など様々な視点から利用出来るIT交流拠点として再活用されることになりました。
廃校再生までの背景や、地方で事業を展開することに関してリングロー株式会社 代表取締役 碇 敏之(いかり としゆき)様にお伺いしました。

リングロー株式会社 代表取締役 碇 敏之様

地域課題と経営課題をビジネスチャンスに

まず、御社について、教えていただけますでしょうか

碇代表:私どもリングロー株式会社は、今年で丸20年になる会社です。
主な仕事は、パソコンを中心にタブレット、スマートフォンに加えOA機器のリユースを行なっており、月間3万台から多い時で5万台程度をリメイクして、販売店さんに卸しております。

次に、パソコンとかに興味がない方に興味を持ってもらうのにはどうしたらいいだろうかと考えておりました。
その際、私が全国を移動する中で、廃校という場所を活用してご年配の方々が、パソコンが安価に買えたり、習えたりする場所を作れないかと考えたのが、今回のプロジェクトの発端であり、これをおかえり集学校プロジェクトと名付けました。

確かに子どもが減って廃校になってしまった場所に、地域の方が集まり、息を吹き返すという仕掛けは、非常に素晴らしいなと思います。
おかえり集学校プロジェクトを始めるにあたり、当初想定していたことはありますか?

碇代表:当初に想定していた狙いは、3つあります。
まず1つは、今まで弊社がリーチ出来なかった層、いわゆるパソコン、スマートフォン、タブレットなどに馴染みがない方々へ、リーチ出来るチャンスが生まれるということ。
2つ目は、地方の細かいエリアの、機器回収が可能になるということです。
都市部からは、何百、何千というパソコンが集まるのですが、地方に目を向けると、10も満たないような回収率のエリアもあるため、回収出来る範囲の拡大を狙っていました。
そして3つ目は、PR効果です。
「東京のIT企業が、地方の廃校を活用し、地域の人たちのコミュニティを作っている。」
というストーリーは、PRとして効果的だろうと思っていました。

立山町へ進出後に自治体さんとの繋がりはありますか?

碇代表:今は、ITサポーターというような役割で、IT周辺のコンサルタントやIT周りの入れ替えのお手伝いをさせて頂くことが多いです。

立山町との出会いは、マッチングイベントがきっかけと聞いていますが、イベント後はどのような進展があったのでしょうか。

碇代表:イベントで町長にご挨拶させて頂いた1,2週間後に、ご来社頂き、その1,2週間後には、集学校第1校目である山形県舟形町の「長沢集学校」に視察までしていただきました。
そして、「これを立山町でも実現しよう!」と、立山町さん全面協力のもと、とんとん拍子で進んで行きました。

立山町に進出を決めるにあたり、悩んだことや課題感などはありますか?

碇代表:立山町には廃校がいくつかあるので、どこの廃校をお借りしようかという点です。
また、旧谷口小学校を選ぶにあたっては、山の麓にあるので、本当にこの場所で人が集まるのかという悩みがありました。

谷口集学校からの風景

実際はいかがでしたか?

碇代表:土日だけで150人以上来られるので、嬉しい誤算でした。
立山町は屋外で遊べる所はたくさんあるのですが、屋内で遊べる場所というのが少なく、『週末の親子連れ』をターゲットにした施設づくりをした結果、たくさんの親子が遊びに来てくれるのは非常にありがたいですね。

“地方進出”の醍醐味や地方の魅力は何でしょうか。

碇代表:そうですね。ちょっと子どもっぽい表現でいくと、全国どこに行っても知り合いがいるって楽しいですよ。
後は、個人的には釣りが趣味なので、海、川、湖関係なく、どこでも釣りが出来るのがいいです。
少し真面目に切り替えると、全国に拠点が増えることで、弊社の社員が働く環境を自由に選べるような環境を目指したいと思っています。例えば大学を出てすぐは、関東でバリバリやりたい、でも結婚後に里帰り出産とか育児を考えると田舎が良いという時に、退社せずに職場環境を変えられるというのは地方進出の魅力だと思います。

ありがとうございます。 リングローさんが全国の廃校をそれぞれの地域の色を出しながら、地方を元気にしていく日を楽しみにしています。
最後に、これから地方進出を検討される企業さんへ何かメッセージを頂けますか。

碇代表:スケールメリットを狙うのであれば人口密集地とか、都市部は必要不可欠なエリアだと思いますが、都市部のお客さんは、“通りすがりのお客さん“も多いです。
一方で、地方は一度繋がるとお互いに信頼関係ができて、人を紹介してもらえたり、がっちりと太く繋がれたりできます。
数の理論で行くと、地方って怖がられると思うのですが、今のビジネスの形態を考えると、深く太く繋がれる環境は、結構悪くないと思います。
必ずしもスケールメリットだけが良さだけじゃないということが実証できました。
今、地方進出を検討している企業は、怖がらずにちょっと片田舎のほうでも展開してみると意外とうまくいきますよというのは伝えたいですよね。

谷口集学校の校長先生にもお話を伺ってみました。

「山と谷、親と子」をコンセプトリメイクされた廃校、谷口集学校。
リングロー株式会社のインタビュー続編として、立山町谷口集学校の校長先生を務める寺西 和之(てらにし かずゆき)様に、開校前や今後の展望などをお伺いました。

谷口集学校 校長先生 寺西 和之様

寺西さんが、校長先生になった背景を教えてください。

寺西様:大学時代はITを学んでいたのですが、就職活動の時にIT企業に対して、一日中デスクワークしているようなイメージがあり、その働き方が出来る自信がなかったので、あんまり前向きなイメージを持っておりませんでした。
結果的に健康増進施設で8年間「運動インストラクター」という、全く、畑違いの仕事をしておりました。
特段不満があったわけではありませんが、別の道も探していた時に、IT業界といっても立山町谷口集学校の校長であればいろんな人と関わることができ、前職の経験を活かせるかもしれないと思い応募をさせて頂きました。

谷口集学校は、普段どんな方が訪れますか?

寺西様:近隣の高齢者の方が中心ですね。
パソコン、スマホの使い方を習いに来る方や、最近はスマートフォンでコロナワクチンの予約のやり方に関する相談もあります。
また、今のスマホの料金形態が分からないというご相談も頂きます。

他の集学校に負けない、谷口集学校の魅力はどこですか?

寺西様:谷口集学校は、他の集学校に比べて非常にたくさんの方が来てくれます。
多い時だと1日100人越える時もあります。
谷口集学校は、コンセプトの中に「親と子」というテーマがあるのですが、子どもたちが思いっきり遊べる場を作ったり、親子で参加出来るイベントを作ったりしてきたということが、集客に繋がったと思います。
今のところ、たくさんの方が来てくれますが、これからは谷口集学校からも色々なアプローチをしていきたいと考えています。

自治体さんとも連携されていますか?

寺西様:そうですね。去年の5月には、立山町の小中学校7校へタブレットの貸し出しや、町の困りごとを吸い上げて自治体に伝えるみたいな、こともやっていました。

自治体が把握していない情報、現場の意見を集約されていますね

寺西様:はい、直近だと公民館の会議室はwi-fi環境が整っていなかったりするので、ここでパソコン教室を開催しています。
今後も町の小さな課題も含めて自治体さんに提案していきたいと思っています。

谷口集学校に来られる方で、イベントをやりたいという相談も増えていますか? また、今後はどんな企業に来てもらいたいですか?

寺西様:そうですね。最近でいえばオカリナサークルからご相談を頂きました。
ベビーヨガや、足形フラワーアートなどもやっています。
後は、弊社の社員の旦那さんが玩具屋という経緯だけで、ミニ四駆のイベントをやったりしました。
なので、今後は弊社と一緒にイベントをやってくれる企業さんとかが谷口集学校に来てもらえたら嬉しいですね。

富山県立山町 谷口集学校
https://taniguchi.shugakko.jp/