事業紹介

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株式会社アルティネット

企業HP
https://www.ultinet.co.jp
開設地
富山県上市町
本社所在地
〒113-0034 東京都文京区湯島3丁目34−6 湯島スクウェアビル

企業紹介

IoT、Voice UI(音声ユーザインタフェース)、AI、Robotics、UTM(ドローン運行管理システム)、ID連携サービスなど、世界規模でIT技術はめまぐるしい発展を遂げつつあります。アルティネットでは、これまでに培ってきたソフトウェア開発のノウハウを生かして、これら革新的な技術に対し興味がある社員が集い、時代の変化に応じて、日々取り組みを進めています。

サテライトオフィス開設の経緯は?
創業し、20年が経ち会社が成人を迎えたタイミングで、もっと世の中や社会の課題を解決に向けて、今まで培ってきたIoTやドローンなどのITを活かせることが出来ないかと考えたため
今後の事業展開
新しい町の特産品作りや情報発信など外から進出した企業だからこそ、気づける魅力をITを組みわせて作っていく

インタビュー

東京のIT企業が、課題集積地“地方”へ進出した背景をインタビュー

上市町の西中町商店街も少子高齢化、若年層の流出などの影響を受けシャッター商店街となっていました。
 2020年11月、そんなシャッター商店街に東京から、株式会社アルティネットが元々布団屋さんだった空店舗にサテライトオフィスを開設。町のIT屋さんとして地元企業と一緒に地域課題の解決、町の魅力の再発見など、地域に根付いた事業運営をしています。その背景や進出後のメリットなどを伺いました。

(左) 代表取締役 宮原哲也様 (右) 常務取締役 永井浩和様

会社が成人を迎え、見えてきた課題

まず、御社について教えて頂けますでしょうか

宮原代表:弊社は1999年、埼玉県大宮市(現さいたま市)にて会社を設立、その後2004年に東京都文京区に移転しました。主な事業内容は、WEBシステムの開発を行っています。インターネットが日本に普及しはじめ、ドコモさんのiモードが出てきた頃に携帯向けサービスの立ち上げやコンテンツ制作、ECサイトの開発・運用など、インターネットを介して色んなことが出来るようになるということを実現してきた会社です。

なぜ、地方に進出しようと思ったのでしょうか。

宮原代表:弊社は、20名程度のエンジニア集団で、目の前のお客さまの仕事を一生懸命に取り組んでいたら、20年が経っていました。会社として成人を迎えたタイミングで、もっと世の中や社会の課題を解決することに目を向けようと意識するようになったのがきっかけです。
例えば、地方の少子高齢化や空き家問題、鳥獣害被害など、日本全体が抱える課題が地方で先行していき、問題がどんどん顕在化してきています。こうした中で、我々が出来ることは何かと考えた時に、IoTやドローンなどの今まで培ってきたITテクノロジーが活かせるのではないかと思い、アクションを起こしたのがサテライトオフィス開設です。

なぜ、上市町を選んだのですか?

宮原代表:様々な地域を検討しているなかで、最も熱意・熱量を感じた地域が、上市町だったからです。町長、副町長をはじめ、目の前で一緒に議論をさせて頂き、職員の方々も、お役所仕事ではなく、民間の我々と同じぐらいフットワークが軽く、むしろ少し驚きました。
視察に行った時も、ウェルカムモード全開で迎え入れて頂き、空き家を一緒に1件、1件回り、担当の企画課だけではなく、商工会青年部の方々も一緒になって、まさに町一丸となって迎え入れて頂きました。

上市町へ視察に行った時の様子

熱意以外で、魅力を感じた所はどこですか?

宮原代表:富山県は事業を運営する点においても非常に運営しやすい立地条件でした。
会社が上野近辺にあるため、北陸新幹線で2時間程度というアクセスの良さと、自然災害が少ない地域というのは、事業を運営するうえで非常に魅力的です。
弊社の事業上、お客さまの情報資産を扱う仕事のため、24時間365日事業を止めるわけにはいきません。そのため、地方進出において、事業の継続性は非常に重要な要素となります。

IT企業の誘致が、シャッター商店街に光を灯す

進出して大変だったことはありますか?

宮原代表:採用ですね。昨年の11月に開設して半年になりますが、いきなり現地採用は想像していたより難しいですね。
まずはパートやアルバイトなどから、始めていければと思っています。
実はこの後もパートの方の面談がありまして、少しずつ現地での採用も進んでいます。
また、国、県、町のなど多くの方々に、オフィスのリノベーションに関する補助もいただいたりしているため、長く上市町に根付いていきたいと考えています。だからこそ、しっかり上市町に根を張って現地での採用をやっていきたいですね。

ありがとうございます。逆に進出して良かったと思うことはなんですか?

宮原代表:サテライトオフィスの開設を様々な、マスコミにも取り上げて頂いたので、上市町の方にはずいぶんと知っていただけたと思います。
また、弊社は商店街のアーケードの空店舗になっていた、元布団屋さんにオフィスを構えたのですが、サテライトオフィスの開設が決まって、私が上市町に訪れた時、町の方から「今までずっとシャッターが閉まっていた空店舗にきれいなオフィスが入って、光が灯った。よく来てくれたね、ありがとう」と握手を求められました。
我々をきっかけに、ただ人が通り過ぎる商店街ではなく、我々も協力して一つ二つと立ち寄れる場所を作っていけたらと思っています。

上市町サテライトオフィス

永井さんは、東京から上市町に移り、常駐されておりますがいかがですか?

永井様:月に1回、地元の企業・個人や行政や上市高校の職員の方々が集まって上市町に関する地域課題などを話し合い、取り組みを実践する「ハッピー上市会」に参加させていただき、町の皆さんや地元の企業の方々とも繋がることができました。

カワリモノの視点が町の魅力を再発見

教育機関や地域企業など様々な繋がりが出来るのは、地方ならではかもしれませんね。
ビジネス面での進出したメリットなどはいかがでしょうか。

永井様:上市町の一次産業に関わる方々と情報交換させていただいたり、お互いの得意な分野を持ち寄って、地方の課題解決に一緒に取り組めるところが作れないか検討できるようになりました。

宮原代表:町からの委託業務もビジネス面でのメリットですね。町の魅力発信や再発見、または、新しく町の特産を作るなど、我々は地域の企業とはちょっと視点が違う、背景も違う、“IT”を上手く組み合わせることで、町の魅力を違った視点で作れると思います。
我々からすると本当にわくわくするようなお話が多く、今はまだあまり話せないのですが、今年度中にいくつか発表させて頂きますので、ご期待ください!

アクションを起こした先にしか見えないもの

最後に現在地方進出を検討している企業様に向けてメッセージをお願いします。

宮原代表:はい、2年前までは、こう言った話を聞く立場だった自分たちが言うのも少し恥ずかしいのですが、アクションを起こしたからこそ、出会える人や機会が本当にあると、サテライトオフィス進出の経験を持って実感しました。
まずは、行動を起こしてみることが大事ですが、全部自力でやろうとすると、なかなか大変です。そのため、富山県さんを始めに、各都道府県で様々な助成制度もあると思いますし実は想像していたよりも色んなサポートを受けることが可能です。
 あわえさんもサテライトオフィスについての情報も提供されていらっしゃると思いますので、まずはそういった情報を集めて踏み出してみてください。
 我々としても、まだ道半ばですが、サテライトオフィスを上市町に設けたとこによって、本当にこう新しい働き方や新しい生き方を実現することが出来ました。

ありがとうございます。永井さまいかがでしょうか

永井さま:サテライトオフィスを地方で開設するということは、地方で全て完結するというわけではなく、東京の仕事も地方で出来るということを非常に実感できます。
私の希望としては若い人たちが、地方でも東京の仕事をしながら富山で働けることに気付いて、将来自分の働く場所の選択肢を自分で選ぶ人たちが少しずつ増えていって欲しいと考えています。
リモートワークが浸透したことで、地方で働くことの抵抗感も下がってきていると思いますし、宮原も言いましたが、1歩踏み出すことで、色々と新しいことが見えてくると思いますので、「ぜひ1歩踏み出しましょう」とお伝えしたいですね。