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自治体HP
https://www.pref.toyama.jp/1307/sangyou/shoukoukensetsu/shoukougyou/kj00001523.html
県庁所在地
〒930-8501 富山市新総曲輪1番7号

自治体紹介

サテライトオフィス誘致のテーマ
県内の各市町村がそれぞれの誘致テーマに沿って誘致活動が行えるよう支援する。
解決して欲しい地域課題
・デジタル人材の育成
・若者や女性の雇用の創出

インタビュー

富山県庁 誘致担当者インタビュー

富山県は、日本海側の中心に位置し、東京から北陸新幹線で2時間、さらに富山きときと空港や三大都市圏へ広がる高速道路網など非常にアクセスが良く、自然災害の少ない土地です。
2022年から「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」を掲げ、6つの柱をもとに様々な取り組みを行っております。
今回は、そんな富山県庁さんにサテライトオフィス誘致についてお話を伺いました。

まず、富山県の概要を教えていただいてもよろしいですか?

富山県は、日本海側の中心に位置し、美しく豊かな自然、多彩な歴史・文化、ものづくりの伝統と世界水準の優れた技術、豊富な水や低廉な電力、日本海側屈指の工業集積など、国内外に誇ることのできる優れた基盤が数多くあります。
また、東京―富山間を約2時間で結ぶ北陸新幹線をはじめ三大都市圏へと延びる鉄道や高速道路網、対岸諸国への航空路や航路など、陸海空の交通・物流基盤やネットワークも整っています。

ありがとうございます。
富山県の地域資源といえば、水というイメージがあります。

そうですね。
富山県は、歴史的にも水を生かしてきたという経緯があります。
富山県は多大な費用を必要とする治水事業をめぐって石川県から分県したのですが、災い転じて福となすという発想の転換で、水力発電に取り組み、豊富な水資源と低廉な電力を生かして製造業が集積してきました。
私たち立地通商課は、製造業などの支援を中心に行ってきましたが、時代の変化に伴い、製造業だけではなく、若者や女性の流出を防ぐという観点でIT企業などの誘致にも力を入れています。
また、地理的には、非常にコンパクトな県になっておりまして、県内の市町村の数は15市町村ということで、全国で最少となっています。各市町村さんと非常に密接にお付き合いさせていただいておりますので、市町村と連携を密にしながら各市町村の取り組みを後押しています。
加えて、富山は東京から北陸新幹線で約2時間で来ることができます。大阪や名古屋を含めた三大都市圏からも比較的等距離にあり、交通の便という面でもバランスがよい立地となっています。また、災害が少ない県であるため、リスク分散の観点からも富山をPRしています。

ありがとうございます。
富山県としての目指す方向性や取り組みについてもお聞きしたいです。

富山県の目指す方向性としては、富山県成長戦略を見ていただくと分かりやすいかと思います。
▼富山県成長戦略
https://seichosenryaku-toyama.com/
富山県のコンセプトとしては、「幸せ人口1000万~ウェルビーイング先進地域、富山~」を掲げ、6つの柱に分けてそれぞれの戦略を設けています。
① 真の幸せ戦略
② まちづくり戦略
③ ブランディング戦略
④ 新産業戦略
⑤ スタートアップ支援戦略
⑥ 県庁オープン化戦略


日本全国で“地方の課題”が類似傾向にあるため、行政が掲げる総合計画は似たような内容になることが多いですが、富山県の成長戦略はかなり踏み込んだ内容が多く見られます。


「幸せ人口1,000万」というのは富山県からの流出を防ぐことだけを目的とせず、出入りを流動化させることで、富山県に関わってくれる人が幸せになることを目指しています。
サテライトオフィス誘致に関しても、企業さんからするといきなり富山県に拠点を設けるというのは、ハードルが高いかもしれないのでまずは、富山県と関わって頂いて、時々富山にお越しいただき、その後、ご縁があれば富山県内で活動して頂けるようになれば、嬉しいと思っています。

次に、成長戦略のボードメンバーは、富山県にゆかりがありつつも様々なジャンルでそれぞれ活躍されている方を中心に構成しています。
▼成長戦略会議の各委員
https://www.pref.toyama.jp/100202/seityousenryaku/wg_2022kaisai.html

富山県庁のHPにも成長戦略会議の議事録を掲載していますが、富山県が今後成長するために忌憚なくご意見を頂ける方々にご参加いただきましたので、かなり手厳しいご意見や外部からの視点を交えた新しい発想なども出てきました。
県が抱える課題に蓋をすることなく、覚悟を持って現実を受け入れたからこそ、このような6つの柱が作れたかと思います。
▼成長戦略会議の議事録
https://www.pref.toyama.jp/100202/seityousenryaku/20220531kaigi.html

成長戦略会議の議事録ですが、かなり踏み込んだご意見も出ておりましたが、この内容をこのまま掲載する富山県庁さんの潔さに覚悟の現れを感じます。
ただ、ここまで具体的な戦略を基礎自治体市町村と合意形成しながら、進めていくのも大変じゃないですか?

市町村の数が全国最少ということもあり、比較的合意形成が取りやすかったのかもしれません。
また、ビジョンセッションという形で、県内全ての市町村で、行政・事業者・住民が一体となって自分たちの町の未来を考える場をつくりました。
▼ビジョンセッション
https://www.pref.toyama.jp/100202/seityousenryaku/2021827.html
富山県庁としては、成長戦略を描きつつも市町村が目指す方向や取り組みを後ろから後押しさせて頂くという姿勢を取っており、市町村はそれぞれ自分たちで地域の課題を見つめ直し、方向性を定め実行していこうとしています。
富山県内全体で、自分たちの町のことは自分たちで考え、手を取り合って解決していくという空気感が伝播してきているように感じます。

県も基礎自治体市町村も自分事化して取り組まれているのが良いですね。
サテライトオフィス誘致に関しては、これからどんなことを取り組んでいきますか?

これまでは、県内の市町村向けに、企業のニーズやサテライトオフィス誘致の全国的な傾向についての研修などを行ってきました。
これからは、いよいよいろんな企業さんと接点を持ちながら、富山県内でどんな事業ができそうか、富山県内の事業者とどのように関わることができそうかなど、具体的な話をしていく段階になるかと思います。
県としては、誘致活動を行う市町村をサポートしていきたいと考えており、サテライトオフィスのマッチングイベントに参加する市町村の出展料などの補助を行っています。
また、企業さんとの関わりを増やすため、富山県内の市町村限定のマッチングイベントを県主催で開催する予定です。

ありがとうございます。
富山県は、医薬品、半導体、アルミ、金属、観光など様々な産業があると思います。
今後は、どういった企業に注目をしているか、どういう企業と連携を取っていきたいかを教えてください。

富山県には、様々な企業さんに関わって頂きたいのですが、例えば富山県に進出して頂いたとしても思うように仕事に繋がらなければ、撤退という可能性もある思いますので、県内の産業と親和性が高い企業さんと連携をとっていきたいです。
県としては、先ほどお話ししたようにIT企業などの誘致に力を入れているところではありますが、関わって欲しい企業さんの業種などは無理に絞らず、各市町村が目指す方向性に合う企業さんと出会えれば嬉しいと思っています。

ありがとうございます。
富山県として、様々な企業さんを受け入れる際にあたって取り組んでいることはありますか?

デジタル人材の育成は、積極的に取り組んでいます。
まず、富山県立大学では、令和4年4月に工学部の情報関連学科の定員を拡充しました。さらに、DX教育研究センターを開設しましたので、DX教育を充実させるとともに、産学官が連携して県内企業全体のDXを推進していきます。
また、国立の富山大学では令和2年4月にデータサイエンス推進センターを発足しています。

自治体と教育機関がしっかり連携して人材育成に取り組んでいるのは、進出企業にとっても心強いと思います。
最後に企業さんへメッセージをお願いいたします。

水を、治めるだけでなく、電力資源として富山県の発展のために利用したという、困難を切り開いた先人達の歴史があることから、勤勉で粘り強い県民性があります。
また、水だけでなく、県外の方にあまり知られていない“磨けば光る”魅力がたくさんあり、「期待値以上、富山」だと思いますので、ぜひ1度富山へ来ていただけると嬉しいです。